一方、成長型の人は失恋を人生の通過点とみなしやすく、衝動も比較的穏やかです。

運命信念は絶対不変ではなく、短い記事や動画でも視点をわずかにずらすだけで追跡行動の意図が弱まる兆候が確認されました。

具体策としては、失恋直後に数日SNSをミュートする「情報断食」、学校や企業研修での「成長ストーリー」共有、カウンセリング現場でのリフレーミングなどが考えられます。

もちろん、性差・文化差やオンライン/オフライン行動のリスク差、運命信念を長期的に緩める方法など課題は残ります。

それでもロマンチックな「運命」という言葉がときに過剰行動の燃料になることが明らかになり、視点を少し変えるだけで痛みを衝動に変えずに済む小さな希望が見えてきました。

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元論文

We Were Meant to be: Do Implicit Theories of Relationshipsand Perceived Partner Fit Help Explain Post-RelationshipContact and Tracking Behaviors Following a Breakup?
https://doi.org/10.1111/pere.12591

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部