福岡は今季、FWサニブラウン・アブデル・ハナンとFW前田一翔の2名が下部組織よりトップチームに昇格。また福岡大学から加入のDF橋本悠は、3月15日の第6節FC東京戦でJ1デビュー。さらに4月17日に行われたYBCルヴァンカップ2回戦では、来シーズンからの加入が内定し今季は特別指定選手として登録されている宮崎産業経営大学のFW佐藤颯之介がゴールを決めるなど、若手にも期待が持てる逸材が多くいる。

今後、福岡が上位争いを演じるには選手層の底上げが必須であり、彼らのような若い選手の活躍はチームにとって重要な要素のひとつだと言える。リーグ戦のほかカップ戦でも勝ち進むとなれば試合数も増え選手のコンディション調整も重要となる。福岡が本当の意味で強豪クラブとなり、J1上位のみならず近い将来アジアの舞台で戦うためにはチーム全体のさらなる強化が必要だ。その一環として若手選手の活躍が鍵を握る事になるだろう。


Jリーグ 写真:Getty Images

「感動と勝ちにこだわる」その先へ

筆者が小学4年生(もしかしたら3年生だったかもしれない)の時に誕生したアビスパ福岡も今年で創設30周年を迎えた。当時、中央防犯FC藤枝ブルックスが静岡県藤枝市からの移転を経て福岡ブルックスと名前を変え、さらに2年後アビスパ福岡へと改名したことは今でも鮮明に覚えている。

数年前に他界した父と共に前身の福岡ブルックス、そして誕生したばかりのアビスパ福岡の試合を見に行ったのは今でも良い思い出だ。あれから30年、偶然にも現在小学4年生の長男はクラブチームでサッカーをしている。

J1での上位争いは簡単なことではない。クラブはスローガンとして「感動と勝ちにこだわる」を掲げている。“5年周期”と言われたJ1での戦いや経営難など数々の歴史とともに歩んできた福岡。クラブの歴史はサポーターの歴史でもある。首位を走る今シーズンはいったいどんな戦いを見せてくれるのか、30周年を迎え勢いに乗る福岡の今後に期待したい。