金監督の目指す能動的に動くスタイルのサッカーには、常にボールを追いかける運動量が必要とされる。監督は選手たちにトレーニングでも常に全力を出し続けることを求めており、その結果相手にボールを持たれている被ポゼッション時の走行距離はJ1全クラブの中で東京ヴェルディ、セレッソ大阪と並ぶトップタイの数字だ。特にMF見木はチームトップの119.6kmという走行距離を記録しており、これはJ1リーグ全体でも8位となっている。相手にボールを持たれる時間が多くとも、チームとして組織的に守備を行い、機を見て素早い攻撃を仕掛けるスタイルの実現に必要なスタミナと運動量で相手を圧倒するプレーもまた福岡が好調の要因のひとつだろう。

名古新太郎(鹿島アントラーズ所属時)写真:Getty Images

既存選手と新戦力の融合

今年、福岡には東京ヴェルディからMF見木友哉、町田ゼルビアからFW藤本一輝、鹿島アントラーズからMF名古新太郎、大分トリニータからDF安藤智哉らを獲得。彼らは開幕直後からスタメンに名を連ね、見木と安藤はこれまで2ゴール、藤本も第10節の横浜F・マリノス戦で貴重な同点ゴールを記録し、それぞれが主力として活躍している。

一方で既存選手の活躍も見逃せない。福岡屈指のサイドアタッカーであるMF紺野和也はこれまでリーグ戦全10試合(スタメン8、途中出場2)に出場、YBCルヴァンカップでも2得点を挙げている。その他、MF金森健志やFWウェリントン、FWシャハブ・ザヘディ、FWナッシム・ベン・カリファなどの既存選手もチームにとって欠かせない存在だ。

前述の横浜FM戦では、スタメン11人中5人が新加入選手で試合は見木の逆転ゴールで勝利を掴んだ。これまでチームを支えてきた既存選手と新加入選手とが上手く融合することにより良い結果をもたらしていると言えるだろう。


アビスパ福岡 写真:Getty Images

チーム力底上げの鍵