違いを挙げると、ジダンのほうが身長が1cm低い185cmで、体重は5kg重く80kgある。ジダンのほうが重心が低く体の芯が太い。そしてベリンガムのほうが若干、身のこなしが軽い印象がある。

マルセイユ・ルーレット(ジダンがマルセイユで習得したスピンするテクニック)の使用頻度は、ジダンよりベリンガムのほうが少ない。

ジダンは、走らせるよりも中盤の中央でどっしりと構えて起点になるプレーをするほうが生きる。ベリンガムは、中央で起点も作れば、スピードを生かしてサイドや相手ディフェンスラインの裏へ飛び出して突破する動きも同様に得意だ。

ジダンはセントラル・ミッドフィルダーといってもいいが、ベリンガムはそれでは収まらず、ウインガーやセカンド・ストライカーのようなプレーもみせる。あえて一言で表現するならば、ユーティリティ・ミッドフィルダー(万能型MF)といったところだろう。

指導者としても大きな実績を挙げたジダンは、現役時代にピッチ上で優れた司令塔でありカリスマがあった。ベリンガムはまだ若いが、自然とボールが集まりチームを統率していく存在になっていくだろうか。将来、歴史がジダンとベリンガムという2人の巨星を振り返ることになるだろう。