歩行速度は以下の3段階に分類されました。
・遅い(時速4.8km未満)
・普通(時速4.8〜6.4km)
・速い(時速6.4km以上)
こうした歩行速度は、アプリなどを使うと自分でも計測することができます。
そしてデータ分析の結果、追跡期間中に9%にあたる3万6574人が不整脈を発症していましたが、歩く速さが増すごとにそのリスクは明らかに低下していたのです。
具体的には、遅いペースで歩く人に比べて、
・普通の速さの人は、不整脈のリスクが35%減
・速歩きの人は、不整脈リスクが43%減
という大きな差が見られました。
特に不整脈の一種である心房細動では、速歩きの人においてリスクが46%も低下していました。
また、歩行時間を測定した8万人以上のサブグループ分析では、速いペースを維持して歩く時間が長い人ほど、不整脈のリスクもより低くなることが示されました。
研究者たちは「この知見は生物学的にも合理的であり、手軽にできる健康促進の手段として『歩く速さ』に注目すべきだ」と強調しています。

運動というと身構えてしまう人も多いかもしれませんが、特別な器具もウェアも不要な「歩く」という行動が、実は心臓の健康を守る鍵だったのです。
毎日の通勤や買い物のとき、少し速めに歩くことを意識するだけで、心臓は将来の病気から守られるかもしれません。
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参考文献
Brisk walking linked to lower risk of heart rhythm problems, study finds
https://www.theguardian.com/society/2025/apr/15/brisk-walking-linked-to-lower-risk-of-heart-rhythm-problems-study-finds
Brisk walking pace and time spent at this speed may lower risk of heart rhythm abnormalities, research suggests
https://medicalxpress.com/news/2025-04-brisk-pace-spent-heart-rhythm.html