そして同じ北米に住んでいたはずのアンキロサウルス科の足跡はこれまで見つかっていませんでした。
しかし今回ついに、カナダ・ブリティッシュコロンビア州とアルバータ州北西部で「3本指の足跡化石」が見つかったのです。
ついにアンキロサウルス科の足跡を発見!

2023年から続く詳細な分析の結果、チームは新たに見つかった3本指の足跡化石がアンキロサウルス科のものであることを特定しました。
指の先は丸く、踵(かかと)は丸いものや二股に分かれたものも確認されました。
さらに前足の形状や足の向き、歩幅から体長はおよそ5〜6メートル、腰高は約120センチと推定されています。
そしてチームはこの足跡の持ち主に、”棍棒を持つ倒れたトカゲ”を意味する「ルオポドサウルス・クラーヴァ(Ruopodosaurus clava)」という学名を与えました。

特筆すべきは、アンキロサウルス科はこれまで骨の化石では白亜紀後期(約8000万年前以降)からしか確認されていなかったことです。
しかし今回の足跡化石の年代は、約9400万〜1億年前のものであることがわかりました。
つまり、この足跡はそれより約2000万年も前に北米でアンキロサウルス科が生息していたという、新たな証拠となったのです。
そしてこの年代は北米のノドサウルスの生息年代とも合致することから、2つのグループが同じ時代に同じ場所で共存していたことを指し示しています。
今回の結果を受けて、研究チームは恐竜の骨化石だけに頼らず、足跡化石によって絶滅動物の進化や分布を見直す重要性を訴えています。
実際の遺体や骨だけでなく、足跡の化石も私たちに太古の物語の秘密を教えてくれるのです。
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参考文献
Footprints of tail-clubbed armored dinosaurs found for the first time
https://www.eurekalert.org/news-releases/1080217