前にもご案内のようにアパルトヘイト時代、武器禁輸を受けていた南アフリカもNATO規格を導入していました。それは公式非公式に調達や開発で有利だからです。
NATO規格導入で実は一番重要だと思うのは、試験や検査などの方法です。更に申せば情報開示です。これらにNATO規格が導入されると防衛省や自衛隊の情報公開が進むことになります。例えば装甲板の強度にしてもSTANGに強度や試験の方法が述べられていますから、秘密にする必要がなくなります。もっともメーカーが公開しているブッシュマスターの内部ですら非公開にするのが防衛省ですが。
ですが長期的にみて情報公開が進むのは間違いない。耐弾試験でも方法が明らかですから、それがクリアできなかったらバレるようになります。かつて陸自の防弾ベスト改善で、撃ったら穴が空いた、みたいなものをそのままバックれて採用できなくなります。
弾薬ではNATO規格にすれば他国の製品との競合が生まれます。日本独自の環境に必要とかいう寝言は通用しなくなります。同じ5.56ミリ弾でもNATO弾と自衛隊の規格は微妙に違うわけですが、戦時の海外からの供給を考えればNATO規格に統一すべきです。40ミリのオートマチックグレネードランチャーの弾薬も我が国は独自の規格でしたが、このような胡乱なことを避けるようになる、ということです。
それからいうまでもなく、有事平時、NATO諸国や有志国と装備やコンポーネント、弾薬の融通が行いやすくなります。これはまた輸出に際しても大きなプラスになるはずです。
更に申せば、できの悪い国産兵器の開発はできるだけ止めて、外国製や共同開発にシフトして、生産分担を確保する方向に防衛産業の舵を切るべきです。

防衛省・自衛隊HPより
■
防衛破綻 – 清谷 信一
専守防衛 – 清谷 信一
■
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料 防衛 防衛(参考資料)
財政制度分科会(令和6年10月28日開催)資料 防衛 防衛(参考資料)