風裏のポイントでキスを手中
海水に手を浸し、回収した錘をつかんでみると、ひんやりした感触である。当日は北寄りの風が強かったので、風裏になる場所を考え、そこで日暮れ前まで粘ることにした。
そこで釣り場の中で完全に風裏になる国道のトンネルの東側の出口周辺のテトラ際の場所に入り、芳養川河口に積まれたテトラ方向に遠投してみる。風が弱く、海は穏やかだった。
午後3時を少し回った時に、やや重量感のある魚信で17~18cmのチャリコがきた。少し潮の動きが良くなってきたようで、潮目が現れている。その周辺を攻めると、小型だがキスが姿を見せた。
水温の低い時期なので魚信も小さい。上げ潮が効いてきたようで、海水に手を浸すと少し暖かさが感じられるようになってきた。上げ潮で暖かい潮が回ってきたのが、はっきりと感じ取れる。
日暮れ前の6時過ぎまでここで粘り、キスは15cmまでを3匹、17~18cmのチャリコが2枚、小型のガッチョが3匹でこの日の釣りを終了した。

潮回りと風裏がキモ
低水温期であるが、何とか3月中にキスの釣果を得ることができた。この日の釣りでさまざまなことが感じ取れた。
まず魚のヒットする時間帯であるが、水が温まりやすい午後に上げ潮が来る潮回りのとき、ズバリ夕方がポイントになると思う。半夜釣りにすれば少しチャンスを増やすこともできるが、日が暮れると寒さでアングラーの方も粘れないだろう。
また、特に北寄りの風が強い場合(サクラの咲く時期に、意外に北風が吹くことが多い)、風裏になる場所を探すことである。歩いて移動できる範囲のポイントでも、風の当たっているポイントと風裏の場所では、水温がかなり違っていると思う。
今回キスが出たポイントは、他の探ったポイントに比べ、特に水深があるという場所ではなかったが、潮回りと風裏という2つの好条件が重なり、局所的にキスの動きが見られたのだと思っている。