ショウガを科学します。
2023年に米国のミシガン大学(UM)で行われた研究は、ショウガの持つ抗炎症効果の根底にある、生物学的なメカニズムが解明しました。
ショウガは何千年もの間、薬として使われており、優れた抗炎症効果を持つことも知られていましたが、人間の免疫細胞にどのような変化を起こすかは完全に解明されていませんでした。
この研究ではそのメカニズムが解明され、ショウガサプリメントがリウマチなどの自己免疫疾患の改善に役立つ可能性がマウスと人間の両方で実証したのです。
研究者たちはショウガに含まれる6‐ジンゲロールが慢性炎症性疾患を治療するだけでなく、アトピー性皮膚炎の改善も期待できると述べています。
研究内容の詳細は2023年9月22日に『JCI Insight』で公開されました。
目次
- ショウガの効能は知っていてもメカニズムは謎だった
- 7日間ショウガサプリメントを飲むだけで効果が現れた
ショウガの効能は知っていてもメカニズムは謎だった

ショウガはさまざまな病気の家庭薬として長い間使用されてきました
その効能は消化不良の改善、吐き気の抑制、減量、血糖値の低下、心臓病リスクの低下、抗酸化作用、抗がん特性にも及んでいます。
しかし加えてショウガにはもう1つ、免疫の過剰反応を抑える抗炎症作用があることが知られています。
炎症に代表される免疫機能は体内に侵入した異物を排除する重要な役目があります。
しかし、ときに炎症は症状を長引かせることがあります。
ハーバード大学で行われた研究でも、炎症による防衛が成功した後には、マッサージなどで炎症物質を早期に患部から流し去ることが症状の早期回復につながることが示されています。
マッサージ効果の科学的解明に成功! 炎症物質を洗い流して回復速度を2倍にしていた