週末になると「どこに出かけようか」と心が躍ります。
ドライブで自然の中に出かけたり、少し遠出して温泉に行ったりと、楽しみは尽きません。
でも、ふと頭をよぎるのが「車に酔って、半日寝込むことになったらどうしよう…」という不安です。
助手席や後部座席に乗ってスマホを眺めているうちに気分が悪くなり、せっかくの予定が台無しになったという経験、あなたにもあるのではないでしょうか?
そんな悩みを解決するかもしれない、驚きの研究成果が名古屋大学から発表されました。
なんと「たった1分間、特定の音を聞くだけで、乗り物酔いを軽減できる可能性がある」というのです。
この研究成果は、2025年3月25日付の『Environmental Health and Preventive Medicine』誌にて発表されました。
目次
- 乗り物酔の原因は?音で改善できるかもしれない
- 1分間の音が車酔いを和らげると判明!
乗り物酔の原因は?音で改善できるかもしれない
動揺病、いわゆる「乗り物酔い」は、誰でもなりうる身近な不調の一つです。
主な症状は、吐き気、冷や汗、めまい、倦怠感などで、原因は耳の奥にある「前庭器官(ぜんていきかん)」の混乱です。

特に、内耳にある卵形嚢(らんけいのう)や球形嚢(きゅうけいのう)と呼ばれる「耳石器(じせきき)」は、重力や加速度を感知するセンサーのような役割を果たしています。
車に揺られているとき、視覚情報とこの前庭器官の感覚がズレることで、脳が混乱し、「酔い」として現れるのです。
そして、この酔いを防ぐのに音が役立つかもしれません。
これまでの研究では、卵形嚢を音で刺激することで、バランス感覚の維持を助ける可能性があると分かっていました。
今回の名古屋大学の研究は、この理論をさらに発展させたものです。
研究チームは、摘出したマウスの卵形嚢を異なる周波数と音量で刺激し、どのように活性化するか観察しました。
