別に、どちらが正しくて、どちらが間違っていると決めることが重要なのではありません。

そうではなく、研究チームは今回、「見た目の美しさ」に対する考え方がリスク行動とどのように関係しているかに焦点を当てました。

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Credit: canva

チームは4000人以上の参加者を対象に実験を実施。

美に対する信念とリスク行動傾向との関連を調べた結果、興味深いことに、「美しさは手に入れられる」と強く信じている人は、「美しさは変えられない」と考える人よりも、ギャンブルや危険行動を含むリスク行動を取りやすいことが明らかになったのです。

たとえば、意思決定のシナリオでは、「200ドルを得られる確率80%、何も得られない確率20%」という選択肢よりも、「800ドルを得られる確率20%、何も得られない確率80%」という選択肢を好む傾向が見られました。

これは経済的リスク選好の一例です。

また、危険な登山道に挑戦したり、やや危険なスキーコースを滑ったりする可能性も高くなるなど、身体的リスクに対しても積極的になる傾向が確認されました。

では、なぜ「美しさは手に入れられる」と考える人は、リスク行動を取りやすいのでしょうか?

なぜリスク行動を取りやすいのか?

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チームは調査結果の分析から、リスクをとる行動が増える背景には「楽観主義の高まり」があることを観察しました。

具体的には、「美しさは努力で高められる」と信じる人はそもそも、「人生におけるどんな難題も努力次第で良い結果が得られるはずだ」と考える傾向にありました。

つまり、物事をポジティブに考える性質を持っていたので、身体的・経済的にリスクのある行動も「なんとかなる」と考えて、積極的に危険に身を晒していたと考えられるのです。

実際に、美容整形といった外科手術も少なからず常にリスクがあります。

しかし「自分は今よりもっと美しくなれる」と信じている人たちは、良い結果を期待してリスク行動を取れるのだと考えられます。