「宇宙人は本当に地球に来ているのか?」

そんな疑問に、科学の目で本気で挑もうとしている研究者たちがいます。

米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(CfA)の研究チームは最近、地球の空を24時間体制で監視する全天赤外線カメラ「Dalek」を導入する計画を発表しました。

これにより、現在では不足している「未確認空中現象(UAP)」のデータを収集したいとの考えです。

研究の詳細は2025年1月28日付で学術誌『Sensors』に掲載されました。

目次

  • 24時間体制で地球の空を監視するカメラアイ
  • 正体不明の飛行現象を確認!

24時間体制で地球の空を監視するカメラアイ

UFO、いわゆる未確認飛行物体(Unidentified Flying Object)は、古くから人々の好奇心と恐怖心をかき立ててきました。

ただ近年では、UFOという呼称に代えて「未確認空中現象(Unidentified Aerial Phenomenon、UAP)」という呼び名が使われています。

これは2021年6月25日に公開されたアメリカ国家情報長官室の報告書で、UFOではなく、UAPの故障が用いられたのがきっかけです。

現在では、米国防総省やNASAもUAPを科学的な調査対象としています。

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実際に開発された全天赤外線カメラ「Dalek」/ Credit: Laura Domine et al., journal Sensors(2025)

しかし私たち一般人にとっては「UAPって本当にあるの?」「実在する証拠は?」と、半信半疑な気持ちの方が強いでしょう。

実際、UAPの研究はこれまで、信頼性の高いデータが少ないことが大きな障壁となってきました。

理由は明快で、多くの観測データは軍事機密に関わるため公開されず、民間の研究者たちは手詰まりの状態にあったのです。

加えて、地球の全天を24時間365日体制で監視することが難しい点も大いに関係しています。