■「人に苦痛を与える音楽活動」の真意

注意喚起の呼びかけは、必然であったと思われる今回のラップバトル騒動。しかし、張り紙にあった「人に苦痛を与える音楽活動」という表現を、強烈な「ディスり」に感じた読者もいるのではないだろうか。

実際、件の張り紙は2023年にもX上で話題となっており、その際には「人に苦痛を与える音楽活動」という下りに注目が集まっていたのだ。

張り紙の内容をめぐり、水とみどり課の担当者は「文面については少し悩みました。ラップをしている方々は、音楽(ラップ)が好きで、友人と練習しているのだろうな…と想像しましたが、その練習が、迷惑(他人にとっての苦痛)になっている事実も分かって頂きたいと思い、このような文面にさせて頂きました」と、説明する。

なお、掲出後には「人に苦痛を与える音楽活動」という文面について、抗議の電話もあったという。

こちらの対応について、担当者は「ラップおよびヒップホップを否定するものではなく、その活動の方法・場所によっては、他人に苦痛を与えてしまう場合がある」という意味であると説明させて頂いたことを記憶しております。わたくし自身も、音楽が好きな身であることも申し上げました」と、振り返っていた。

同市では、決してラップを「人に苦痛を与える音楽」と見做しているワケでなく、TPOを弁えない音楽活動は「人に苦痛を与える」場合があると、注意を呼びかけているのだ。

担当者は「人に迷惑にならない場所で練習し、スキルをアップして頂きたいと思います」「最近では、この場所でラップの苦情は入っておりません。皆さまにご理解、ご協力頂いたものと考えております」ともコメントしている。