トランプ関税は、レーガン政権から始まった新自由主義を全面否定する社会実験ともいえるが、それが失敗に終わることは確実である。イーロン・マスクはナバロを批判し、逆にアメリカとヨーロッパの関税をゼロにして米欧自由貿易圏をつくろうと呼びかけている。これはトランプとは逆に、新自由主義を徹底する加速主義である。

これはグローバリゼーションの次の道をめぐる選択である。トランプの道が望ましくないことは明らかだが、マスクの道は政治的に容易ではない。それは社会保障の抜本改革なしには、格差を拡大するだけに終わるだろう。