ただし、今回選出された選手たちがそのまま今後の代表活動あるいは来年の本大会のメンバーになるとは限らない。ここでは、3月シリーズでの招集はなかったが、次回以降の招集そして日本代表での活躍にも期待がかかる海外組を3名紹介していく。


佐野海舟 写真:Getty Images

佐野海舟(1.FSVマインツ05/ドイツ)

2023年11月のW杯アジア2次予選ミャンマー戦で代表デビューを飾ったMF佐野海舟。弟のMF佐野航大(NECナイメヘン/オランダ)に遅れること約1年、昨夏には自身も欧州へ渡りドイツの1.FSVマインツ05で海外挑戦をスタートさせた。2023シーズンの開幕前に当時J2の町田ゼルビアから鹿島アントラーズに移籍し、瞬く間に名を上げた佐野。海外挑戦先でも圧巻のパフォーマンスを続けている。

スピード感のあるカバーリングにボールを刈り取る技術、鋭い読みのパスカットと攻撃の芽を摘み取るプレーはJリーグに居たころよりも確実に進化し続けている印象だ。もちろん、日本代表でポジションを争うのはMF遠藤やMF守田といった百戦錬磨の実力者たち。それでも、現在ブンデスリーガで4位と好調なチームを支える男が、海外での経験をもとに改めて代表にどんな影響をもたらすのか見てみたいサッカーファンも多いのではないだろうか。


鈴木唯人 写真:Getty Images

鈴木唯人(ブレンビーIF/デンマーク)

中盤の攻撃的なポジションは国内組の付け入る隙がほとんどないと言っていいほど、海外で活躍する選手の数・質ともに申し分ないまさに激戦区だ。この3月シリーズで招集された選手を見ても、大半が欧州の主要リーグで各クラブの主力を担う選手ばかり。だが、食い込んでほしい選手は複数いる。そのうちの1人が、デンマークで活躍するパリ世代の筆頭格でもあるMF鈴木唯人だ。

一度目の海外挑戦となったフランスのRCストラスブールでは活躍の機会が多くなかったものの、わずかな期間のJリーグ復帰を経て移籍したブレンビーIFでは主力の座を掴み初年度から活躍。今季は現時点でリーグ戦9ゴールを挙げチームの攻撃を牽引している。海外での実績という面で同世代のFW久保と比べるとやや見劣りするのだろうが、2度目の海外挑戦では所属クラブの中心選手として結果を残している。アジアを圧倒した攻撃陣に割って入れる存在があるとすれば、成長著しい鈴木ではないだろうか。

毎熊晟矢 写真:Getty Images

毎熊晟矢(AZアルクマール/オランダ)