今週の株式市場は大荒れになると思われ、特に東京市場は心配性の個人投資家の買い手に支えられてきた中、海外機関投資家が利益が出ている銘柄を見境なく売却することから防御の手段はなく、崩落しやすいとみています。信用売買をしている個人投資家には追証が発生しやすくなるとみています。一部では売られ過ぎ、底打ちという専門家の意見もあるし、実際、大バーゲン価格をつけ始めている銘柄が多数出てきていますが、パニックの時には平常な判断力が無くなり、市場からの撤退が主眼となるため、何らかのきっかけがあるまでは厳しい状態が続くと思います。

トランプ関税は経済学の歴史に残る愚策となるはずです。更に想像を膨らませ、悪いシナリオを描くならここから世界不和が始まり、国家間の信用関係にひびが入るような事態が起きればとそこから先は目も当てられないことになります。

トヨタがアメリカで販売する車の価格を変えないと述べています。これは消費者にはすさまじく勇ましい話ですが、トヨタの利益率が大きく下がるのみならず、自動車市場において歪みを生じさせ、他の自動車メーカーとの共存共栄にヒビが入ることになりかねず、マイナスの影響にも注視しています。

関税問題はどこかで収まるかもしれませんが、アメリカ不信というレッテルが貼られたのは大きいでしょう。世界から市場はアメリカだけではない、という動きも出かねず、しばし、その落としどころを探る展開となりそうです。また、中国が笑っているとされますが、それが明白な傾向となった時、トランプ氏はどのような顔をするのでしょうか?

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年4月7日の記事より転載させていただきました。