悲しいかな、レンジャーが部隊として運用されているのは昭和の特撮ドラマ「怪獣王子」の中だけです。

「レンジャー遊撃隊」が宇宙人と戦っている(笑

怪獣王子〔園田光慶版〕【上】 (マンガショップシリーズ 376) – 園田光慶

それに死亡者が多数でているのは、生理学や医学を無視しているからでしょう。例えば普通の部隊ですらヒートマネジメントをしていない。70年代のまま止まっています。だから夏場の行軍で定期的に水分を取ることをさせなかったり、それを邪魔したりする指揮官もいます。

ですから18式防弾ベストみたいな欠陥品が装備として採用されます。しかも調達完了に1500年もかかるペースで調達された。そしてプレートキャリは今になっても存在しない。ぼくの報道がきっかけとなって、18式が見直されて、スタンドアローンで使えるプレートキャリアも開発されるようです。

夏場に17キロの重量で、皮膚を広く覆えば熱中症になることは間違いなしです。

装甲車に関してもクーラーは未だにほとんどない。やっと途中から16式MCVについて、今度の共通戦術車やAMVに搭載されます。ですが、既存の装甲車両には搭載されない。これでどうやって夏場のNBC環境下で戦うのか?16式のクーラーに関してもぼくがあれこれ動いていなかったら未だに未装備のままでした。

組織としてきちんと隊員の体調を管理してベストで戦わせるようなシステムがありません。さらに申せばそのような組織で知見を発揮する専門医の医官もいません。以前医官らが防弾ベストに関して提言したら「素人があれこれ口を出すな」といじめられました。これは本人から直接聞いた話です。こういうことをするから専門知識と改善の熱意がある医官が疎まれて、自衛隊を去っていきます。

だから昔の軍隊でいう「陸式」の脳筋、根性論が幅を効かせている。今回の問題の根源にはこれも大きな原因となっているのではないでしょうか。