「コインを弾く前と同じ面が出る確率は約51%である」

つまり、コインの「表側」を上に向けてコイントスすると「表側」が出る確率がやや高く、「裏側」を上に向けた場合は「裏側」が出る確率がやや高いというのです。

高速度写真を用いてパラメータを測定した研究では、「51%の確率でコイントス前と同じ面がでる」との結果に
高速度写真を用いてパラメータを測定した研究では、「51%の確率でコイントス前と同じ面がでる」との結果に / Credit:Canva

この結果を受けて、多くの人は「やはり誤差レベルだ」と言うでしょう。

「五分五分ではないようだけど、これくらいだったら特に気にしないし、確かめる必要もない」と考える人は多いかもしれません。

しかし、近年流行しているソーシャルゲームのガチャではSSRとされる希少な景品の排出率が1%未満に設定されており、これを小数点単位で変更されてもかなり排出率に影響することを実感している人は多いでしょう。

十分な公平性が必要とされる世界では、1%の確率のズレはかなり無視できない数字です。

そのためコイントスの確率について、十分な回数で検証し表裏の出る正確な確率を「何とかして確かめたい」という猛者たちがあらわれました。

アムステルダム大学のバルトシュ氏率いるヨーロッパ中の研究者たちが、実際にコイントスして結果に偏りがあるのか確かめたのです。

35万回以上のコイントスが「弾く前と同じ面が出やすい」ことを証明

今回の実験では46カ国で鋳造されたコインが使用され、48人がかりで、合計35万757回ものコイントスが行われました。

「参加者たちがひたすらコイントスし続ける」様子は、YouTubeで公開されているため、時間がある人はチェックしてみると良いでしょう。

動画の中では皆が黙々とコインを弾いており、後ろの焚火の映像とも相まって、まるで何かの儀式のようです。

そして狂気のコイントス実験の結果、確率はやはり五分五分ではないことが明らかになりました。

コインを弾く前と同じ面になる確率は50.8%だったのです。