エミューという一見無害な存在が、巧妙な群れの運動と逃走戦術により、敵対する武装勢力を翻弄した結果、結局はエミュー側が勝利を収める結果となったのです。

戦闘終了後、軍は撤退を余儀なくされ、その様子は笑い話として語り継がれるに至りました。

それはまさに、人間の傲慢さと自然の予測不可能な強さを象徴する、歴史に残る奇妙な敗北でした。

後に戦果を問われたメレディス少佐は、しみじみとこう語ったといいます。

「もし我々が軍を編成するなら、エミューのような兵士が理想的だ」

その後オーストラリアの人口増と都市化によってエミューの数は減少したものの、今もエミューたちはオーストラリアの大地を駆け抜け、時折農作物に被害を与えています。

エミューはその俊敏さと知恵をもって、人間に「自然を侮るな」と静かに語り続けているのです。

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参考文献

エミュー大戦争:飛べない大きな鳥が知らず知らずのうちにオーストラリア軍を撃破した |サイエンティフィック・アメリカン
https://www.scientificamerican.com/blog/running-ponies/the-great-emu-war-in-which-some-large-flightless-birds-unwittingly-foiled-the-australian-army/

The Great Emu War
https://www.smh.com.au/national/nsw/the-great-emu-war-20160121-gmaz3z.html

Great Emu Wars: Royal Australian Artillery launched an operation to kill emus | news.com.au — Australia’s leading news site
https://www.news.com.au/technology/innovation/inventions/australia-launched-an-offensive-against-emus-in-the-1930s/news-story/f93ac1be047c30ce743ebe10107bf1a7