ガブリエル氏は外相を退任して以来、時の政治問題で鋭い論評を発表してきたことで定評がある。特に、EUが中国との関係でその対応を苦慮している時、中国が共産党政権であり、共通の価値観を有していないという基本的な相違点を明確にメディアで発表してきた。
ガブリエル氏は2018年2月17日、独南部バイエルン州のミュンヘンで開催された安全保障会議(MSC)で中国の習近平国家主席が推進する「一帯一路」(One Belt,One Road)構想に言及し、「民主主義、自由の精神とは一致しない。西側諸国はそれに代わる選択肢を構築する必要がある」と述べた。欧州の政治家が中国の「一帯一路構想」について、単に批判するだけではなく、その価値観、世界観と一致しないと明確に指摘したのはガブリエル氏が初めてだった。
そのガブリエル氏は今、米国の経済的圧力で苦しむカナダに向かって、「カナダのパートナーはもはや米国ではない。EUだ」と呼び掛けているわけだ。

トランプ大統領 ホワイトハウスXより
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年4月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。