中国 中国からの輸入品に対しては、60%という非常に高い関税を検討中。これは、第一次政権時(2018~2019年)に課した最大25%の関税をさらに強化するもので、不公正貿易慣行やフェンタニル流入対策を理由に挙げている。

メキシコとカナダ 北米の近隣国に対しては、25%の関税を課す方針が発表されている。特に自動車や鉄鋼・アルミニウムが対象で、不法移民や麻薬流入への対策として圧力をかける意図がある。

以下、主要国別の影響について表にしてみた。

トランプ関税の主要国への影響(概算)

また、各産業への影響は以下が考えられる。

自動車 すべての外国製自動車に25%の追加関税を課す案が具体化しており、2025年4月3日に発動予定と報じられている。エンジンや主要部品も対象に含まれる可能性があり、日本や欧州からの輸出に大きな影響が予想される。

鉄鋼・アルミニウム 第一次政権時と同様、全輸入鉄鋼に25%、アルミニウムに10~25%の関税を再導入する動きがある。2025年3月時点で既に発効が予定されているとの報道も。

3. 実施時期と法的根拠

時期 一部の関税(例: 自動車への25%関税)は2025年4月3日から発動予定とされている。また、相互関税の詳細は4月2日に発表され、ほぼ即時施行が計画されている。

法的根拠 トランプ政権は、通商拡大法232条(国家安全保障を理由にした関税)や通商法301条(不公正貿易への対抗措置)を活用する可能性が高く、これらは大統領権限で発動可能であり、議会の承認を必要としないため、迅速な実施が期待されている。

4. 目的と期待される効果

トランプ大統領と側近は、関税政策に以下の目的を掲げている。

製造業の活性化 関税で輸入品の価格を上げ、企業がアメリカ国内で生産するインセンティブを高める。特に自動車や鉄鋼産業の「アメリカ回帰」を目指している。

歳入増加 関税収入を財源とし、減税政策(例: 2017年減税の恒久化や法人税率の15%への引き下げ)の資金とする計画。自動車関税だけで年間1000億ドル以上の収入を見込む。