最後に確認されたのは1830年代で、以降は姿を見ることはありませんでした。
ガラパゴスクイナは正式な「絶滅種」には認定されていませんが、IUCN(国際自然保護連合)では絶滅危惧種に分類されています。
その存在は一部の島に限られ、特にフロレアナ島では「完全に消えた存在」として扱われてきました。
しかし、そんな中で、喜ばしい知らせが2025年に舞い込みました。
フロレアナ島で、190年ぶりにガラパゴスクイナが発見されたのです。
フロレアナ島で190年ぶりに「ガラパゴスクイナ」を発見
この歴史的再発見は、偶然ではありませんでした。
2025年、チャールズ・ダーウィン財団とガラパゴス国立公園局は、フロレアナ島において長年取り組んできた生態系回復プロジェクトの一環として、鳥類のモニタリング調査を実施しました。

調査員たちは、島内の草むらや湿地帯に仕掛けた機器により、なんと3つの異なる場所でガラパゴスクイナの姿を確認することに成功したのです。
これは、1830年以来、190年ぶりの記録です。
ではどうして今になってガラパゴスクイナと再会できたのでしょうか。
調査員によると2つの説が考えられるという。
1つは、小規模な個体群が島内に再定着した可能性。
そしてもう1つは、もともと完全に絶滅したわけではなく、個体数が極めて少なかったためにこれまで発見されてこなかったという理由です。
調査員は「ガラパゴスクイナは飛ぶことが苦手」「複数の場所で発見された」という事実から、後者の可能性が高いと考えています。
ちなみに、今回の発見の背後にあるのは、計画に10年以上費やした「フロレアナ島からの外来種駆除プロジェクト」かもしれません。
これは猫やネズミ、ヤギなどの外来種を島から完全に除去し、安全な環境を取り戻すという大規模な取り組みであり、2023年10月にようやく開始されました。
