マーケティングはきちんとしているのか
ユニクロほどの世界的なブランドでも、マーケティングによって売れ残るカラーが出てしまうことを防げないのだろうか。
「実はきちんと綿密なマーケティングをしているからこそ、そういった売れ残りが出ているのです。まず、売れ残りが出ないようにするのはとても簡単。生産数を確実に売れる少数に絞ればいいだけのことだからです。けれどそうすると、その商品のその色がほしいと思ってくれている顧客にいき渡らなくなってしまう。ですから色によって、一定数の売れ残りが出てしまうことはやむをえないわけです」(同)
そのうえで、アパレル業界で知られている重要な概念があるそうだ。
「今回、一番重要なポイントとなるのは『捨て色』という概念です。ユニクロのような大型チェーン店で、各店舗の売り場面積も広いブランドでは特に重要視される概念なのですが、店舗でディスプレイされているその商品のカラバリを見て、“比較すること”で購買意欲が高まるという消費者はとても多い。
その商品が白しかなければ比較できませんが、白も黒も赤も青も黄色もピンクもあれば、消費者はそのなかから自分が好きな色や自分に似合いそうな色を比較して見つけ出そうとするもの。白だけではそれほど売れなかった商品が、比較対象で派手めのピンクなどと並べておくことによって、定番の白が爆売れするという現象が起こることも少なくありません。
比較してから購入を決断したいという心理的習性が働く人が、非常に多いということです。ですから売れ残る可能性が高い『捨て色』でも、その商品を全体的に売るための戦略として、比較対象としてわざわざカラバリに加えられているのでしょう。ファーストリテイリングが公式に発表しているわけではないのであくまで俗説ですが、ユニクロでは多色展開する場合、20%程度を売れにくい派手めな色で生産していると言われています」(同)
最後に堺屋氏に、今季のユニクロアイテムのおすすめを伺った。
「今季の完全新作というわけではなく、ユニクロでは定番で毎年ブラッシュアップされて登場しているアイテムですが、『ブロックテックパーカ』(6990円)や『オックスフォードシャツ』(2990円)などは、高い機能性と洗練されたデザイン性を兼ね備えており、買って損なしのコスパの良さを誇っています。ちなみに今季の『ブロックテックパーカ』はブラック、ネイビー、オリーブ、オレンジとカラバリがあり、オレンジは着こなすのが少々難しいですが、ブラックやネイビーは万人に似合う服となっているのでおすすめです」(同)
――ぜひユニクロ店舗に足を運び、カラバリが豊富で色鮮やかにディスプレイされた売り場で、自分に似合うアイテムを見つけてみてほしい。
(取材・文=A4studio)
提供元・Business Journal
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