ペースメーカーは、脈拍が乱れる不整脈を治療するための医療機器であり、心臓に電気刺激を与えることで正常な拍動を促します。
そして米ノースウェスタン大学(NU)はこのほど、世界最小となる米粒サイズのペースメーカーの開発に成功したと発表しました。
しかもこのペースメーカーは生体適合性であり、役目を終えると手術によって摘出する必要はなく、体内で自然に溶けてしまうとのことです。
一体どのように機能するのでしょうか?
そしてどのような患者への使用を想定しているのでしょう?
目次
- 世界最小のペースメーカーを開発
- 取り出さなくても自然に溶けてなくなる
世界最小のペースメーカーを開発

心臓病の治療に欠かせないペースメーカーですが、その使用にはいくつかの問題があります。
ペースメーカーは、心臓が正常に拍動しない場合に電気的な刺激を与えることで、心拍数を正常に保つ役割を果たします。
しかし従来のペースメーカーを取り付けるためには、心臓の表面に電極を縫い付け、ワイヤーを通して外部の機器と接続する必要がありました。
このため、手術後にはワイヤーの取り外しや外部機器の管理が必要になり、それぞれの作業において心臓を傷つけるリスクがあったのです。
この問題を解決するために、小型化されたワイヤレスのペースメーカーも開発されました。
これはペン先のキャップほどの大きさですが、ワイヤレス化には成功したものの、心臓への植え込みによる合併症のリスクが懸念されています。
そんな中、研究チームはワイヤレスかつ、これまでにない世界最小のペースメーカーの開発に成功しました。
こちらの画像の一番右がそれですが、サイズは米粒くらいしかありません。
幅がわずか1.8ミリ、長さが3.5ミリ、厚さが1ミリとなっていますが、それでもフルサイズのペースメーカーと同じくらいの刺激を提供できます。
