父親もそれがただの石ころではないと一目で判断し、イスラエル考古学庁の専門家にコンタクトを取ることにします。

そして詳しい調査の結果、ジヴちゃんが数多ある石ころの中から偶然手に取ったものは、約3800年前にカナン人によって作られた印章であることが判明したのです。
カナンとは現在のイスラエル、パレスチナ自治区、レバノン、シリア、ヨルダンの一部を含む地域を指します。
聖書では「乳と蜜の流れる場所」と描写され、神がアブラハムの子孫に与えると約束した土地であることから「約束の地」とも呼ばれる有名な場所です。
また、ジヴちゃんが見つけた印章は、ただの装飾品ではありませんでした。
スカラベが彫り込まれた「お守り」
ジヴちゃんの見つけた印章には、2匹のスカラベが彫り込まれていました。
スカラベは古代人によって、生命の誕生や再生の象徴として神聖視されてきた存在です。
スカラベとは生物学的にいうと「ヒジリタマオシコガネ(学名: Scarabaeus sacer)」を指しているといいます。
いわゆるフンゴロガシですね。

フンコロガシを神聖視する慣習は、古代エジプトに端を発します。
エジプト人は、フンコロガシが糞の玉を転がす様子から、太陽神が太陽を転がして移動させる姿を連想し、神格化しました。
また糞の中に卵を産み、そこから新しい命が生まれることから、「死から生命が生まれる」という再生の象徴と見なしていたのです。
こうした信仰のもと、スカラベ型の印章は一種の護符やお守りとして、王族や貴族のみならず、一般の人々にも広く用いられました。