それ以外に企業により月次を発表しているところはそれを前年度比などで次の決算の指針にしているところもあります。
それを予想するが証券アナリストです。ある意味証券アナリストは預言者的な存在になるのですが、そんな予言が当たるなら証券アナリストなんていう仕事をさっさとやめて個人投資家になったほうがいいわけで結局、将来の部分の予想は誰がやっても当たりにくい、こう見るべきなのです。
株価の変動はサプライズによるところが大きいのですが、このサプライズはアナリストの予想に対して会社側から何か発表されたときのギャップということになります。日本では新興市場の株価予想をする証券アナリストが少なくカバー率が低いので例えば「みんなが予想する株価」といった訳ワカメな予想が大手を振っていたりするのです。
昔は似たようなビジネスをしていた企業が多かったのですが、近年は日本も北米も各社ユニークな取り組みをしているところが多く、業界の平均といった分析がしにくくなりました。当然、アナリストの負担も大きいわけで私はそんな業務はさっさとAIに任せてしまえばよいと思います。決算に裏打ちされた株価の部分は人間が分析する必要はゼロ。要は将来をどう見るかですが、各社が抱えるプロジェクトの進捗状況なんてアナリストが経営トップに聞いたところですべてを掌握できないのです。
ではどうするか、私は会社の個性を見るようにしています。四半期決算でいちいち細かいことを言わず、会社の経営のベクトルが社会が求めている方向に一致しているか、また会社が株主とどう向き合っているかも大切なところでしょう。
日本も北米も各社IRを活発に行うところとあまりやらないところがあります。基本的にはディスクロージャーという発想から業務進捗の開示が進んでいるところは株主とのコミュニケーションがよい企業だと考えています。
決算で2割も株価が上下することもしばしばみられます。事前予想とのギャップとされますが、心理的要素が相当占めるものです。例えば好決算なのに期待値が高すぎて株価が下落するような場合は株価は持ち直してくる可能性が高い、そういう特性を逆に利用することが大事です。そのためには自分の注目銘柄のチャートを頭で描くぐらい株価を眺めつづけることが大事だと思います。株価は連続線なのです。瞬間のプロットではない、つまりカネにたかる人々の欲望の渦が常に巻き起こっているのだと考えると株価は面白い生き物のように感じられるかもしれません。