足立氏の論調の一つが、この強烈な個性を持つ橋下徹氏が創始者となった維新の会批判に及ぶ。というのも、橋下徹のオーナー政党だった維新の会(大阪、全国の両方)が、維新の党是を忘れ、改革政党としての歩みを止めてしまったことを批判しているのかもしれない。

足立康史 vs. 維新の会

ではそんな足立康史氏は、維新の会批判をどのように展開してきたのだろうか?

足立康史氏は元々、経済産業省官僚として21年間勤務した後、2012年に日本維新の会の結党に参加し、国会議員として4期12年を務めた。特に党の国会議員団政務調査会長や憲法改正調査会長など要職を歴任し、維新の政策立案や大阪発の改革を推進する中枢メンバーだった。しかし、2024年6月に党員資格停止処分を受けたことを機に、維新との関係が決定的に悪化し、批判のトーンが強まっている。

きっかけ

2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で、維新が公認候補の陣営を通じて機関紙を配布した行為を、足立氏がX上で「公職選挙法に抵触する恐れがある」と指摘。これが党執行部との対立を招き、6月に党員資格停止6カ月の処分が下された。

その後の動き

処分後、足立氏は当初無所属での出馬を模索。しかし、維新が大阪9区に新たな公認候補を擁立する方針を決定したため、2024年10月6日に次期衆院選不出馬と政界引退を表明。しかし、引退後も維新批判をやめず、自民党や公明党候補の応援に回るなど、維新への反発を明確に示す。

批判の内容と具体例

足立氏の維新批判は、党の運営方針、政策の方向性、人材育成の欠如など多岐にわたる。以下に主な批判ポイントを挙げる。

① 党運営への批判:独裁性と強権性の指摘

足立氏は、維新が「しがらみのない改革政党」を標榜しながらも、内部では独裁的・強権的な運営が目立つと主張。

例 自身の公式サイトで、「オーナー政党が独裁性や強権性を強める様子をまざまざと見せつけられた」と記述。具体的には、馬場伸幸代表や吉村洋文共同代表の下で、党内の異論が抑圧され、執行部の意向が優先される体質を問題視。