ハイブリッドは“ありえない”のか?

 マッカーシー博士は、自身が長年にわたり鳥類や哺乳類の交配種(ハイブリッド)を研究してきたことを踏まえ、多くの人が「異種間交配は不可能」「混血種は不妊になる」といった誤解を抱いていると指摘する。事実、鳥類では4000例以上の異種交配が確認されており、その多くは部分的に繁殖能力を持っているという。

 哺乳類でも、同様の“部分的に繁殖可能なハイブリッド”は存在し、家畜の品種改良ではよく行われている手法である。たとえば、初代の交配種(F₁世代)を親のどちらかに再び交配(バッククロス)させることで、複数世代かけて安定した新種が作られていく。

 博士は、ヒトがこのようなバッククロスを繰り返して誕生した可能性があるとし、「我々はチンパンジーに近い遺伝構造を持ちながら、ブタ由来の特徴を備えている」と語る。

 なお博士はこの仮説に対し、最初は「不快感を覚えた」とも正直に打ち明けている。しかし研究を続けるうちにブタという動物に対する見方も変わり、知性や忠誠心、適応力といった“人間らしさ”に通じる特質を認めるようになったという。