つまり、1.と2.を合わせて考えると、いきなり潜水艦搭載の小型原子炉を建造するのはどだい無理であって、実験用の原子炉を造らないわけにはいかない。
北朝鮮がそのような実験炉の建造に着手しているのかどうかについては、今のところ情報がない。仮にこれからやるとすれば、ゆうに5年以上の歳月はかかるであろう。
日米への脅威——どうするアメリカ、どうする日本!?
第二次トランプ政権の鍵は経済方面では異様に高い関税の乱発、戦争ではロシアーウクライナそしてガザ地区での停戦から平和の実現である。
トランプ政権の経済政策にはすでにスタグフレーション(高インフレと高失業率が併存する状態)の兆候が見られるといわれている。これはまずい。つまり米国の力を削ぐことになるし、それは当然同盟国の日本にも大きな影響が出てくる。
トランプ大統領は、第一次政権の時から日米安保条約が非対称であり、米国に一方的に過度な負担を強いているという見方をしている。当時の安倍晋三総理はトランプ大統領との外交的〝対話〟を通じて、日本の立場を丁寧に説明してトランプ氏を納得させていた。

2024年6月19日、平壌での首脳会談での条約締結後の握手の模様(ロイター)読売新聞オンラインより
今後同様のことが石破茂現総理にできるのであろうか。石破氏が臨んだ初のトランプ氏との日米首脳会談の様子を見ていると、実に心許ない。微笑み外交ならぬ、あれは〝つくり笑い外交〟ではないか。上っ面の笑いは対話とは程遠く、今後いつどこで日米安全保障関係が窮地に追い込まれるか知れない極めて深刻な危機的状況である。
一方の露朝関係はどうか。
ロシアと北朝鮮は昨年6月にプーチン大統領が平壌を訪れ金正恩朝鮮労働党総書記との間で「露朝包括的パートナーシップ条約」を締結した。これは確固たる軍事同盟である。
総書記は、両国関係が「自主と正義の実現を共通の理念とする不敗の同盟関係、百年大計の戦略的関係」に格上げされたと喜色満面の様だ。プーチン大統領は「北朝鮮は国家の安全と主権を守るため、防衛力を強化する権利がある」と持ち上げた。