自分を信じたい。でも、不安が心を蝕んでいきました

(画像=『FUNDO』より引用)
赤ちゃんの髪は、確かに光の加減で茶色っぽく見えました。
目を開けたとき、ほんの一瞬ですが、青みがかっていたようにも思えました。
出産直後の疲れや混乱の中で、私は徐々に自信を失いかけていました。
「もしかしたら……」と、自分の中で生まれてはいけない疑念が広がっていったのです。
検査は淡々と進められました
病院のスタッフの案内で、私と赤ちゃん、そして夫のDNAサンプルが採取されました。
手順は簡単でしたが、精神的な重さは計り知れませんでした。
看護師さんがやさしく声をかけてくれました。
お母さん、「大丈夫ですよ。こういうケース、意外と多いですからね」
その言葉に少し救われる気がしましたが、不安が完全に消えることはありませんでした。
夫の目は、遠くを見ているようでした
病室の隅で、夫は無言のまま座っていました。
赤ちゃんを抱こうともしません。
私の問いかけにも、視線を合わせることなく、小さな声でこう答えました。
「わからないんだよ」
その言葉が、私の胸に重くのしかかりました。