「サウル王の話」は、神から祝福され、神の霊が注がれてきた人物、民族、国家がその使命を果たさなかった場合、どのような結果が待っているかを物語っている。ユダヤ民族だけの話ではない。「黄金時代が始まった」と豪語したトランプ米大統領ら世界の指導者、国家にも程度の差こそあれ当てはまる話ではないか。
「神の祝福」を失い、神の霊が離れていった場合、その隙間に「悪霊」が入り込む。その結果、選ばれた人物、民族、国家は大きな試練に直面する。歴史は、中心人物、中心国家・民族が一時期、黄金時代を築くが、いつしか神から離れ、滅びていった数多くの実例を示している。
その意味で、「サウル王の話」は21世紀に生きる私たちにとっても非常に啓蒙的な内容が含まれていると言えるのではないか。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年3月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。