ここで注目すべきは、「どれだけ使っているか」ではなく、「どう使っているか」という点です。
たとえば、SNSが見られないと落ち着かず不安になる、投稿を見たあと自己嫌悪や劣等感にさいなまれる、自分と他人を比べて「なんで私はこうなんだろう」と落ち込んでしまう——。
こうした心理状態に陥る人が急増していることが、さまざまな調査で報告されています。
つながりを求めて開いたSNSが、逆に自分を孤立させ、心を削ってしまう。
ここにはSNS特有の「比較のワナ」が潜んでいるようです。
華やかな日常、美しく加工された写真、成功して見える友人たち。
それらは、見れば見るほど「自分だけが取り残されている」という感覚を強め、気づかぬうちに心を蝕んでいきます。

スクロールしながら感じる小さなイライラや落ち込みの積み重ねが、やがて深刻な精神的ダメージとなる。
SNSは便利で楽しいツールである一方、扱い方を間違えれば、心をむしばむ“静かな毒”にもなり得る——。
そんな現実が、いま私たちの目の前にあるのです。
死にたくなるSNSの使い方」と、心を守る方法

では具体的にどのようなことが問題になるのでしょうか?
たとえば、就寝前に何時間もスクロールし続けて寝不足になること。
見るのは他人のキラキラ投稿ばかりで、自分の投稿の「いいね」数を何度も確認してしまう。
そしてSNSを見るたびに自己否定が強くなる。
こうした使い方は、「自分をすり減らすSNSの使い方」と言えるでしょう。
知らず知らずのうちに、心が疲弊していくのです。
そのため研究では、時間ではなく“気持ち”で判断することが大切だと示されています。
よくSNSの使用時間を減らしましょうという説明を見かけますが、実際はSNSを利用しているときの自分の気持ちに注目した方が良いのです。
SNSを見たあとに元気が出たのか、それとも落ち込んだのかを振り返ってみてください。