プーチン大統領の真意はもちろんわからないが、真剣に国連平和維持活動(PKO)ミッションの派遣の要請を考えているのだとしたら、今回の発言は、ある種の観測気球ということになるだろう。ウクライナ全土を、暫定的であれ、国連が統治するというのは、様々な意味で、起こりそうにない。しかしそれでも国連PKOミッションの展開がうわさされ始めているのは、第三者性のある組織が、停戦監視にあたるのでなければ、停戦の実効性が保てないからだ。第三者とは、OSCEでなければ、国連以外にはない。プーチン大統領は、おそらくこの国連PKOの展開を視野に入れ、その活動範囲と権限の最大限の拡大を狙っているのだろう。

もちろんロシアが併合したことにしている地域に国連PKOを入れることは、ロシアの側が許さないだろう。しかしウクライナ全土に国連PKOが展開し、それによってNATO構成諸国の軍事展開を阻止する根拠にできるのであれば、その方が望ましいと思っているのだろう。

ロシアとウクライナの戦線は、実際に交戦地域を見ても約1000キロ、ロシアとウクライナの間の国境線という意味では2,000キロ以上の距離がある。空前の規模の両軍の引き離しが必要になる。史上最長・最大の非武装中立地帯の設定も視野に入ってくる。その非武装中立地帯の監視にあたることができるのは、ほぼ国連しかない。

イギリスとフランスが中心になって進めている欧州軍あるいは有志連合軍の展開は、中理的に活動する国連PKOとは別のものになる。もし展開できるとすれば、ウクライナ西部だけだろう。それでもオデッサなどの要衝に展開したいとは思っているはずだ。

ロシアは欧州軍の展開を嫌っているので、国連PKOを望んでいる。万が一、併存する形で欧州軍の展開を受け入れるとしたら、限られた西部地域のみにおいてであろう。

以前の調査報道で、ロシアがウクライナ領土を三分割する案を持っていると伝えられたことがある。ロシアの視点で東からロシア併合地域、キーウを含む中央部、そして西部地域だ。