植物でも動物でも菌類でもない? 未知の生命体の可能性
さらに奇妙なのは、化学的な分析結果である。もしプロトタキシーテスが本当に菌類なら、その細胞壁には「キチン」という物質(カニやエビの殻、昆虫の外骨格にも含まれる丈夫な繊維質)が化石になる過程で分解されてできる特定の糖類が残っているはずだ。ところが、P. taiti の化石からは、その痕跡が全く見つからなかったのである。化石になる初期段階で一部の糖やタンパク質が失われた可能性もゼロではないと研究チームは考えているが、化石が見つかった土壌には他の多くの化学物質が残っていたことを考えると、キチンの痕跡だけが完全に消えたとは考えにくい。
これらの解剖学的、化学的な証拠を総合すると、プロトタキシーテスは、私たちが知っている菌類とは全く異なる生物だった可能性が高い。では、植物か? 動物か? ロロン氏らは、そのどちらでもないと結論付けている。「現生のどの生物グループも、プロトタキシーテスのすべての特徴を示すものは見つからなかった」と研究で述べ、「これまで記載されていない、完全に絶滅した真核生物(細胞核を持つ生物の大きなグループ)の一員と考えるのが最も妥当だろう」と提唱しているのだ。
つまり、プロトタキシーテスは、植物でも、動物でも、菌類でもない、全く新しい系統に属する今はもう存在しない生命体だったのかもしれない。古代の地球に君臨したこの謎多き巨人が、生物進化の系統樹のどこに位置するのか、今後の研究がますます待たれるところである。
見た目こそキノコのようでも、中身はまるで別物。プロトタキシーテスは、現代の我々の分類枠ではとらえきれない、不思議で壮大な「いのち」の系譜に連なる存在なのかもしれない。
提供元・TOCANA
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?