ITを専門とする仕事自体は相変わらず必要

 一方、AIにプログラミングを任せると、プログラムがうまく動作しない場合に『どこに間違いや原因があるのか』が分からなくなってしまったりと、手戻りが発生するため、人間がやっていたプログラミングをAIがやってくれるようになるという単純な話ではないという指摘も聞かれる。

「毎月のようにChatGPTの新しい機能がリリースされているように、AIの発展速度が非常に速いため、数カ月前まではAIではできなかったことが、今では問題なくできるようになっているということは珍しくありません。ですので現時点で『AIにはできない』といわれていることも、少ししたらAIに置き換えられている可能性はあります。

 ですが、企業においてはITを専門とする仕事自体は相変わらず必要だと思います。エンジニアが求められるスキルセットが、より上流に近くなり、企業が抱えている課題をITの言葉に置き換えてAIに指示するということになっていくでしょう。つまり企業の課題とAIの間をつなぐITの専門家というのが、相変わらず必要だと思います。AIの普及でプログラマーをはじめエンジニアの採用の数が減っていくかもしれませんが、顧客がやりたいことをきちんとITの言葉に置き換えて、案件として進められるコンサルティング能力みたいなものが、採用において求められてくるかもしれません」(田中氏)

 大きな問題もあるという。

「プログラマーにとっては、自分で考えて手を動かして何かを作るということがアイデンティティだったわけですが、AIに指示を出すだけの仕事で納得できるかという『エンジニアのアイデンティティ・クライシス』という問題がSNS上でも話題になり、議論を呼んでいました。『AIに指示を出す人になることが、我々がやりたかったことなんだろうか?』といったエンジニアの葛藤は、今後課題になってくるのかなとは思います」(田中氏)

(文=Business Journal編集部、協力=田中健太/データアナリスト、鶴見教育工学研究所)

提供元・Business Journal

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