2013年、ポルトガル領アゾレス諸島の沖合で、海底に“ピラミッド型”の構造物が発見され、今なお専門家たちを困惑させている。この構造物は人類が建造したものなのか、それとも自然の産物なのか――謎は深まるばかりだ。

 発見者は、海洋調査中に偶然この構造物を見つけたディオクレシアーノ・シルバ氏。彼によれば、ピラミッドは正確に東西南北を向いており、形状も非常に整っていたという。場所はテルセイラ島とサン・ミゲル島の間に位置し、高さは約60メートル、底面積は8000平方メートルと推定されている。

“アトランティス”伝説との関係?

 この海底ピラミッドをめぐっては、早くからインターネット上で「アトランティスの遺構ではないか」との声も上がった。古代ギリシャの哲学者プラトンが記した“伝説の沈没都市”アトランティスの所在地をアゾレス諸島に重ねる説は以前から存在している。

 だが問題は、この地域が約2万年前から水没しているという点だ。現在知られている最古の高度文明(メソポタミア文明)ですら、紀元前3000年頃に始まったとされており、仮にこのピラミッドが人工物であるならば、歴史の常識を覆す発見となる。