首都圏の中学受験ブームは2025年も高い水準で続いている。首都圏模試センターによると、首都圏の私立・国立中学受験者数は過去3番目に多い5万2300人と推計され、受験率も18.10%と過去2番目の高さとなった。一方で、ここにきて話題になっているのが、中国人受験生の増加だ。日本に永住している家庭だけでなく、日本で中学受験をするために移住した家庭が増えているとみられる。中学受験の現状について、首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成氏に聞いた。

中学受験で移住による中国人受験生が増加

 首都圏模試センターは2025年の私立・国立中学受験者数の推計を2月20日に発表した。受験者数は5万2300人で、前年より100人減少したものの、過去40年で3番目に多い受験者数だった。また、受験率は18.10%で、過去2番目の高さ。過去最高だった前年の18.12%よりわずか0.02ポイントの低下にとどまった。

 中学受験ブームが続く中、2025年入試では男子の御三家と言われる最難関の麻布、開成、武蔵がいずれも前年よりも志願者を減らした。その一方で、神奈川県内の慶應義塾普通部と聖光学院が志願者数を伸ばしている。

 2025年入試では、各学校の志願者数以外にも話題になっていることがある。それは、首都圏の中学受験で中国人の受験生が増えているとみられることだ。長年中学受験に関わり、多数の中高一貫校を取材している北氏が次のように説明する。

「今年の中学受験が終わった後、大手塾の関係者の間では中国人受験生が増えたことが話題になっています。都内の中高一貫の学校からも、ここ数年中国人の割合が増えていると聞いています。正確な数字があるわけではないのですが、本格的に調べると、驚くような結果が出てくるのではないでしょうか」

 中学受験に臨む中国人家庭は、従来から一定数存在した。開業している医師や国際弁護士など、資格が必要な職業に就いて永住している家庭が中心だ。北氏によれば、ミッション系の学校をはじめ、多くの私立中高一貫校では、外国人の生徒を差別することなく積極的に受け入れてきた学校もあり、その中で中国人が一定の割合を占めていたという。ただ、最近中国人の受験生が増えているのは、これまでとは違う理由だと北氏は指摘する。

「日本に永住している家庭に加えて、日本にわざわざ移住して子どもに中学受験をさせている家庭が増えていることが考えられます。都内で個別指導をしている学習塾では、中国人受験生が約4分の1を占めているケースがあります。北区や江戸川区など、中国人のコミュニティがある地域でその傾向は強いようです。

 中国では不動産バブルなどによって、新たに富裕層になった家庭が少なくありません。そういった家庭の中には、北京大学など受験戦争が熾烈な国内の一流大学への進学は難しくても、日本の中高一貫校で勉強すれば『東京大学くらいは入れるだろう』と考えて日本に来た人たちがいると聞いています」