佐藤優也 写真:Getty Images

第6節までを終えた2025明治安田J2リーグ。ここまでは、開幕から6連勝と絶好調のジェフユナイテッド千葉が引っ張り、J3からの昇格組ながら5勝1敗のRB大宮アルディージャが追走。3位には4勝2分で負けなしのV・ファーレン長崎が付けるという上位争いになっている。

順位をめぐる争いが激化する一方で各チームのポジション争いも熾烈だ。特にGKでは、出場枠が常に1のみでスタメンの交代も起こりにくい特殊なポジションにも関わらず、昨季あまり出場機会を得られなかった選手や、今季初のJ2に挑む中で優れたパフォーマンスによりチャンスを掴みつつある選手が複数出ている。ここでは、そんなGKたちの中から4選手を紹介する。


徳島ヴォルティス(旧エンブレム) 写真:Getty Images

田中颯(徳島ヴォルティス)

2022年に京都産業大学から徳島ヴォルティスへ入団した田中颯は、今季J2のGKで最大のサプライズともいうべき存在だろう。1年目こそ出場機会を得られなかったものの、2年目に7試合、3年目となる昨シーズンは15試合と徐々に出場数を増やしている。そして4年目の今季、一気に飛躍を遂げつつある。

開幕戦から全6試合にフル出場しており、チームの失点はわずか2。そのうち1点はPKを決められたもので、流れの中から決められたのは1点のみである。もちろん大前提としてチーム全体の守備意識が高いこともあるが、シュートストップに優れた田中が止めている被決定機も多い。

ペナルティエリア外からのセーブ率は100%でリーグトップタイ。それだけでなく、ペナルティエリア内からのセーブ率も77.8%でリーグ5位。クリーンシート総数も4でリーグトップの成績だ。チームは得点力に課題を抱え勝ち切れない試合が続くが、その中でもしぶとく勝ち点を重ねられているのは田中の奮闘によるところが大きい。


佐藤優也 写真:Getty Images

佐藤優也(ロアッソ熊本)