「絶滅種の全ゲノムが決定された」と言われる場合は、言葉通りの意味ではなく、骨などから得られた断片的なものを近隣種にあてはめていくことを言う。

「脱絶滅」は全てのDNA配列を復元するのではなく、特徴的な物だけゲノム編集をして「絶滅種に似た機能を果たす生きもの」を作ろうというもの。

マンモスに似たものを復活させる意味として、地球温暖化に歯止めをかけるためというのがあるらしい。

北極圏ではマンモスのような大型動物がいないので冬に降った雪が積もって永久凍土を十分に冷やさない。

マンモスに雪を掘り起こしてもらい表土を冷やしてもらう。また、森林が土の温度を上げるので、それを防いでもらうという考えがあるそうだ。

本当に意図通りになるかはかなり疑わしい。

リョコウバト、フクロオオカミなども研究されているが、それができたとして環境に放せるかどうかは微妙だと書かれている。

カルタヘナ議定書に「脱絶滅」の研究が盛んなアメリカ・オーストラリアは未締結国。

校正がいまいちであったのを二カ所見つけた。

pp.80-81 「それは、日時、時刻がほぼ正確にわかっているはじめての生物種の絶滅となった。」

これは北米のリョコウバトの話で1914年9月1日にシンシナティ動植物園でマーサという名前のが亡くなったことについて書いている。

「日時、時刻」ではなく「日付、時刻」が妥当ですね。日時には何時何分という時刻も含まれるため。

p.209で、脱絶滅の研究と基礎研究は全く違うが、いずれそれらが合流して現実的になっていくのでは?という著者の意見に大阪大学の林克彦氏が《「たしかに、そうかもしれません」と合意した》とある。

これは「合意」ではなく「同意」ですね。

「合意」は何らかの調整事項に対して意見をすり合わせた結果であり、「同意」は単なる意見の一致で意味が違う。

編集部より:この記事は晴川雨読氏のブログ2025年2月27日のエントリーより転載させていただきました。