このごろTikTokを開くと、必ず山本太郎の動画が出てくる。それもれいわ新選組の公式サイトではなく、匿名の支持者の投稿だ。大半は山本の街頭演説などを切り抜いただけだが、4万8000の「いいね」がついている。
日本人はこの30年に貧しくなった。 その原因は消費税の増税だ。 消費増税の目的は法人税の減税だ。
1は正しい。彼の指摘するように世帯所得の中央値が下がり、相対的貧困率が上がったことは事実だが、その原因は消費増税ではない。彼も認めるように法人税は下がったので、租税負担率は26.7%で、1990年とほぼ同じだ。上がったのは社会保障負担率で、1990年の約10%から今は18.4%になった。
国民負担率の推移(財務省)
ところが山本は、社会保険料にはまったくふれない。それは彼の支持層である若年フリーターが社会保険料を負担していないから、消費税以外の税は知らないのだ。
3は間違いである。法人税率は下がったが、法人税収は上がったのだ。もし法人税率が1990年の40%のままだったら、日本の税率は世界最高となり、企業は海外に脱出して成長率はマイナスになっただろう。
法人税率と法人税収(財務省)
法人税率を23.2%に下げても、産業空洞化は止まらない。その原因は人口減少・高齢化だけではなく、国内の生産性が上がらないからだ。それがこの30年の衰退の大きな原因だが、れいわ信者にはわからないだろう。
消費税を廃止したらどうなるか