そうはいっても、将来不安はどうしてもある。これはどうすればいいのか?

筆者の考えとして、「達観」すればいいと思っている。老後はどうしても収入減や働く時間も減ってしまう。だが、老後不安ならずっと働き続ければいいだけである。実際、多くの日本人は定年退職後も社会とのつながりや、老化防止、生きがいのために働き続けている。

人によっては現役時代の技術を教える教室や教師になる人もいる。たとえば子供向けの電子工作教室を開いたり、エンジニアが地域の子供向けプログラミング教室を作ったりというイメージだ。老後に備えるのは働かずに生きていくための「資金」より、ずっと社会貢献できる「スキル」ではないだろうか。

若いうちに過剰に老後資金を貯めることに固執する必要はない。日本はこれからも労働力不足が続く。なら働き続ければいいだけだ。

「体を壊したらどうするのか?」という意見もあるが、そうならないために若い内から体力づくりをすればいい。それにどうしようもない不治の病にかかったなら、最後は潔く散ればいいのではないか。年を取った後にかかる致命的な病気は半分、寿命みたいなものだ。数十年蓄財してその治療に全力で備えるより、精一杯生きてどうしようもない時は散ればいいのだ。

将来の備えは大切だが、今を犠牲にしてまでやる価値はあるのか?不安を解消するために、莫大な投資を続けることはどうしてももったいないように感じてしまうのだ。

 

■最新刊絶賛発売中!

[黒坂 岳央]のスキマ時間・1万円で始められる リスクをとらない起業術 (大和出版)