そして最近、ポーランドでも「黒の遺伝子」をもつ漆黒のオオカミが発見されました。
ポーランドでも「黒の遺伝子」を持つ漆黒の狼が発見される
前述した北米とは異なり、ポーランドでは黒いオオカミを見かけることはほとんどありません。
しかし今回、ポーランドの自然保護団体「SAVE Wildlife Conservation Fund Poland」が設置した野生動物用の自動撮影カメラに、黒いオオカミが映り込みました。
このカメラはもともとビーバーの観察用に設置されていたものでしたが、偶然にもポーランドでは珍しい姿をとらえたのです。

撮影された映像には、黒いオオカミが1頭、そしてそれに続く灰色のオオカミが1頭、川を渡っている様子が記録されていました。
さらにその後、別の映像では、少なくとも2頭の漆黒の個体が同じ群れに属していることが明らかになりました。
この映像はポーランドにおける初の黒いオオカミの映像記録です。
地元の人々の間では、黒いオオカミがしばしば神秘的な存在として語られており、その珍しさから「伝説的な存在」として扱われています。
そのため今回の発見は、彼らにとって驚きでした。
では、ポーランドの「漆黒のオオカミ」が黒い被毛を持つ原因はいったい何でしょうか。
SAVE Wildlife Conservation Fund Polandは、やはり遺伝子変異が原因だと考えています。
しかし、北米のオオカミと同じ遺伝子由来の変化なのか、あるいはヨーロッパ独自の突然変異なのか分かっていません。
こうした点を明らかにするため、彼らは漆黒のオオカミの糞を収集・分析して遺伝子の謎に迫りたいと考えています。