このような睡眠リズムの乱れが続くと、慢性的な睡眠不足や昼夜逆転に繋がり、精神的な不調に発展するリスクも高まるとも考えられています。
では、どうすれば「昼寝したら夜眠れない」なんて事態を避けられるでしょうか。
「最高の昼寝」をするには?
昼寝によって夜に眠れなくなる事態を防ぐには、まず昼寝の長さを見直す必要があります。
ムクタリアン博士は、昼寝の理想的な長さは10〜20分程度だと述べています。
この時間内であれば脳は浅い睡眠状態にとどまり、夜間の眠気を損なうことなく、昼間の疲労を効果的に回復することができます。
30分を超えると、脳は深い睡眠段階に入りやすくなり、夜の眠気が抑えられてしまいます。
また、昼寝をとる時間帯も重要です。
人間の体内時計は、午後早い時間帯に自然な眠気の谷を迎えるようにできおり、理想的な時間は午後2時前です。
このタイミングで短い昼寝をすることが最も効果的であり、午後3時を過ぎてからの昼寝は、体の自然な睡眠スケジュールが遅らせる可能性があります。

そして、「最高の昼寝」に近づけるためには、眠る環境も意識する必要があります。
たとえ短い昼寝であったとしても、夜間の睡眠環境と同じく、涼しく、暗く、静かな環境が適しています。
もし明るく騒がしい環境で昼寝しなければいけないなら、アイマスクやノイズキャンセリングヘッドホンなどを利用できるでしょう。
もちろん、すべての人にとって昼寝が同じレベルのメリットをもたらすとは限りません。
年齢やライフスタイル、睡眠パターンなどは昼寝がその人に役立つかどうかに大きく影響します。
基本的な要素を把握しつつ、「いつ」「どのように」「そもそも昼寝をすべきか」といった点を、自分に当てはめて知る必要があるのです。
例えば、筋肉の回復を早めなければいけないアスリートたちには十分な昼寝が必要かもしれません。