国内外の報道機関やジャーナリスト団体は「政府による報道機関への介入」として、強い懸念を表明している。

報道の自由を擁護する組織「国境なき記者団」も、VOAの閉鎖はロシアや中国などの権威主義体制がチェックされずにプロパガンダを広めることを許すことになると指摘し、投獄されているVOAのジャーナリストや職を失ったジャーナリストを危険に晒すと非難した。

長年にわたって独立性を保ってきた米国の報道機関が、政権交代によって急激にその機能を停止させられたという点で、国際社会に強い衝撃を与えた。また、VOAの活動停止は、世界中の情報アクセスに悪影響を与え、報道の自由を脅かし、米国の国際的な情報発信力を低下させるという、広範で深刻な影響をもたらす可能性がある。

背景には政府批判?

ニーマン・ラボによると、トランプ大統領は最初の任期時からVOAを標的にしてきた。

保守派の映画監督で親トランプ派のマイケル・パック氏をVOAを傘下に持つ「米グローバルメディア局(USAGM)」の最高経営責任者に任命している。パック氏は「経営陣の大部分を解雇し、世界的なインターネットの自由プロジェクトを停止し、取締役会を解散させ、従業員の就労ビザの更新を拒否。トランプ氏の忠実な支持者を組織に任命した」。

2020年、連邦判事はパック氏をジャーナリストの報道の自由を守る憲法修正第1条の権利侵害で有罪とした。

トランプ大統領の2期目が今年1月に始まって以来、USAGMの人事部は「トランプ大統領に批判的と受け取られた」コメントをめぐり、個々のVOAジャーナリストを調査し始めたとニューヨーク・タイムズ紙は2月に報じている。

他国の政府も過去15年間に通信社を解体したり、根本的に変えたりしている。

2013年、ロシアのプーチン大統領は国営通信社RIAノーボスチを閉鎖し、ロシア・トゥデイに置き換えた。2015年、ハンガリーのオルバン首相は国営通信社MTIを自身の支持者が支配する大規模なメディア・コングロマリットに統合した。