昨年の衆院選で、自民党が過半数割れしました。最近の世論調査では、20代、30代の政党支持率は国民民主党が1位で、自民党を上回りました。新聞が世論を動かそうという紙面を作っても、若い世代は新聞をとっていないから、世論全体にうねりを作ることはできない。
21日の読売新聞は26㌻です。以前は平均すれば、30ー40㌻はありました。この26㌻のうち1㌻広告(全広)は8㌻もあります。3分の1が1㌻広告で、以前ならば、広告収入はたっぷり得られました。トヨタ、日産などの自動車、東芝、日立などのエレクトロニクス、家電が目立ちました。
それが「喉薬の龍角散」、「温活の肌着」、「肌にやさしい石鹸」、「相続対策の賃貸住宅」、「発毛促進」、「睡眠薬」など、年寄り向けのものばかりが並んでいます。以前の自動車、家電などは高額の料金をとれたのに、健康、食品、旅行関連などは単価が相当に安い。安いし若い世代との無縁の広告です。
ネット情報に比べ、新聞、テレビの信頼度は高く、広告に限れば、ネットの22%に対し、新聞45%、テレビ44%という統計があります。ネット広告はテレビを抜き、4媒体の合計でも抜いています。もう多すぎると私は感じています。パソコン、スマホをみると、ネット広告を通過しないと、必要な情報にたどりつけない。画面いっぱいをネット広告が占有していることも多い。
断りもなく割り込んでくるネット広告を排除しようとしても、クリックするボタン(アイコン)がどこにあるかよく分からない。場合によっては、消去ボタンのようにみられるアイコンが実はおとりで、全面広告が表示されてしまう。もうネット広告は氾濫状態です。いい加減にしてほしい。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2025年3月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。