イギリスでどうやってオーロラを観察するの?

2024年5月10日そして10月10日は、イギリス全土でオーロラが観測、10月10日は北海道でも観測したと話題になった日で、より高緯度のイギリスではとても鮮やかなオーロラを観測しました。他の日にも、緯度の高いスコットランドでは色は薄いのですが、オーロラを数回観ることができました。
イギリスでオーロラの見える時期は一般的には9~3月です。しかし、磁気嵐が強い時でなければならないため、毎日見えるわけではありませんし、見える日でも一晩中見える訳ではありません。
オーロラが綺麗に観れる場所は、光が少なく北方向に視界の開けている場所です。綺麗に観えるところまで行って出現を待つことになりますが、いつ出るかのかわからずに無駄に待って、とにかく寒いという現実がありました。
そこで、イギリスで流行っているのが、オーロラ予測アプリ Aurora Watch UKです。

このアプリは、イギリスのランカスター大学の宇宙惑星物理学科が提供しているサービスで、時間毎に磁気波の強さを示し、イギリス国内でオーロラを観られる時に警告を出しています。
警告の段階が4つ

オーロラ出現の時間にならないと警告は出ません。オレンジや赤の警告が出たら、観える場所に急いで移動することになりますが、警告が出てもオーロラが観えるのは夜暗くなってからです。雲が多ければ観ることはできないため、警告が出ても見えるとは限りません。
また、イギリスは夏は日が長く、夜の11時くらいまで明るいので、赤の警告が出ていても暗くなるまで見えません。冬は逆に午後の4時くらいから暗くなるため、見える可能性が高まります。
オーロラ観測が流行っているため、赤の警告が出る時に、イギリスのニュースで1日ほど前から可能性について報道されることがあります。報道を聞いてアプリのオーロラ警告の状況を確認しながら観測する場所まで行くこともできます。
オレンジでもオーロラが観られる場所は、ヨークあたりからのイングランド北部とスコットランドです。スコットランドでは北に行けば行くほど、黄色でもオーロラが観られます。
2024年に赤の警告が長い間出たのが、5月10日と10月10日です。この両日はイギリス全土で見ることができたとソーシャルメディアでたくさんの写真が投稿されていました。
カメラで見えるとはどういう意味?
警告の内容に「カメラで見える可能性があります」という表示は、どういう意味なのでしょう。実は、カメラだと肉眼では見えないほどの薄いオーロラでも、カメラで撮影することによって、光を集めることができるため、カメラで写すことでオーロラが観測できるのです。
プロの写真家は、シャッタースピードを長く設定して美しいオーロラの写真を撮りますが、素人のカメラはオートフォーカスなので、フォーカスできないためシャッターもおりない状態になります。そのため、オーロラ観測は限られた場所と人によるものでした。
近年オーロラ観察がイギリスで人気が出てきた理由は、スマホでもオーロラが簡単に撮れるようになったからです。特にオーロラ撮影に強いのはiPhoneといわれ、iPhone11から搭載されたナイトモードは、スマホでもオーロラを撮れます。(現在は他メーカーのスマホでも対応可能。)
ナイトモードにして、シャッタースピードを10秒にすると本当に写るんですよ。