日経によると「慶応義塾大学や米ワシントン大学の研究グループは21日、日本人の過去30年の健康状態を解析し、2015~21年で最も多い死因は認知症だとする研究成果を発表した」とあります。認知症は老衰と同じ症状であって疾病ではないというのが一般の理解だと思います。訃報欄には死因が書いてある場合もあり、老衰、心不全あたりが多いかと思います。要は明白な死因は示さない死人に対する気遣いなのかもしれません。これがもし、死因、認知症と書かれたら私は死んでも死にきれないと代弁する家族の方もいるでしょう。
さて「海外では認知症を死因として扱う傾向がある」と記事にはあるのですがこれ、ちょっと無理がある括りのような気がします。つまり認知症を伴う方が何かをすることで死因につながると考えるべきである意味、上述の死因である老衰、心不全と同じような括りではないかと思います。嚥下障害(飲み込みの問題)、誤嚥(気管に入ること)、更にはどこかカラダに不都合があるのにそれが表現できない、痛かったのを忘れる、更には転ぶだけでなく転んだことを忘れるといったこともあります。
上述調査の死因で第2位は脳卒中ですがこれも本来は脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血があるのである意味括り表示です。ところががんになるとなぜか部位別に4位の肺がん、6位の直腸がん、7位の胃がん、9位の膵臓とトップ10に4つも入るのです。これおかしいでしょう。本来であれば、がんを1つにすれば1位になるはずでこのランキングは作為的な研究データとしか私には思えないのであります。ただ、ランキングはともかく、認知症は自己表現能力が劣る点で本当に気をつけなくてはいけないと思いますし、介護する側の苦労は計り知れないものがあります。好きで認知症になるわけじゃない、と言いますが、ある程度の予防や進行遅延策はあるので是非とも考えてみたらいかがでしょうか?
後記 日本の特許製品の「転んでも骨が折れにくいカーペットの中敷き」をカナダで販売しているのですが、我々のグループホームにもそれを敷く作業をしています。私とビジネスパートナーの2人で毎週1部屋ずつ中敷きとカーペットタイルを敷いていくのですが、2人で頑張っても8時間かかる細かい「骨が折れる」作業。だけどこれを敷くと入居者が喜ぶのです。もちろん転んでは困るのですが、安心を提供するというのはこういうことかなと思います。受注にボリュームが出れば学生バイトも雇えるのですがいかんせん、今は儲けゼロで施設としての付帯価値向上目的ですので将来Goodwillでもつけばよいのですが。