黒坂岳央です。
年を取ると誰しも健康診断が怖くなる。たいてい、どこかでひっかかるようになっているからだ。健康診断の基準値に疑問を抱く人もいるが、それでも高血圧や肥満、血糖値のほか生活習慣病に引っかかるとどうしても不安になる。
「そんなに不摂生しているつもりはないのに」と考える人は多いだろうが、冷静に考えると「本当に健康的に生きている人」はむしろ少数派で、現代人は普通に生きるだけでは不健康になるようにできている。
では、現代人はどのように不健康になっていくのか。その具体例を見てみよう。
歩かなすぎる
一般社団法人ストレスオフ・アライアンスが全国14万人を対象に行った調査によると、一日8000歩の日はたったの月1日。近年はリモートワークの拡大によってさらに歩かない人は増加した。人間の健康および寿命は歩行速度と関係している。歩かなすぎは不健康に直結するのだ。
食べ過ぎと栄養の偏り
現代は特定の栄養が不足し、逆に過剰となる現代型栄養失調を引き起こしている。新潟薬科大学の発表によると、ダイエット志向や手軽に食べられるジャンクフードの普及が、現代型栄養失調の原因と分析されている。
不足気味なのがビタミンやミネラル、タンパク質で逆に過剰なのが炭水化物と脂質と糖質だ。野菜やフルーツ不足、肉や魚が不足して代わりにパンや白米、麺類などが多いとこのような栄養状態に陥る。
睡眠不足
日本人は睡眠不足と言われる。OECDの2021年調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、加盟国の中でも下位に位置している。
筆者はこの元凶は仕事というよりおそらくスマホの影響が大きいと考える。日本は国民の休日数が世界的に多いが、それに加えて昭和に比べると労働環境も劇的に改善され、逆に労働可能人口内の働く時間はドンドン下がっている。
パーソル総合研究所の調査によると、日本人は先進国や新興国と比較すると、読書や勉強の時間が短い。日本の「ゼロ勉強社会人」は52.6%、1日の勉強時間は平均13分である。