そのやや右上には、小さな光の点で示された金星が写っており、さらに上部の太陽と同じくらい明るい光は私たちが暮らす地球を示しています。

これらの画像は地球で見る日没と月面で見る日没が大きく異なることを視覚的に実感させる貴重な写真となりました。

さらに研究者によると、この日没画像は「1960年代に月面で観測された謎の霧の解明に役立つ」といいます。

月で観測された「謎の霧」とは?

実は、月面には長年解明されていない謎が存在しています。

それは1960年代から観測されていた「月面の霧」の存在です。

NASAの初期の探査機は、月面の空気に微細な霧が漂っている様子を捉えましたが、その原因は不明のままでした。

その後、アポロ計画の宇宙飛行士たちも、月面での活動中に同様の現象を確認していますが、当時はその発生メカニズムについて結論が出ませんでした。

今回のブルーゴーストによる日没の写真は、この謎に新たな光を当てるものと期待されています。

NASA(アメリカ航空宇宙局)の専門家らは、この謎の霧現象を「地平線の輝き(horizon glow)」とか「塵の浮遊(dust lofting)」と呼んでいます。