一方、AfDはイーロン・マスク氏やバンス米副大統領の支持を受けて、意気揚々だ。得票率20%を壁をクリアした場合、AfD抜きで選挙後の連立工作は益々難しくなることが予想される。

移民・難民対策とAfDへの対応問題の陰に隠れた感じだが、ドイツ国民の最大関心は国民経済の回復だ。ウクライナ戦争の影響もあってエネルギー・コストが急騰、それに伴い物価が高騰して国民生活は厳しくなってきている。CDU/CSUへの支持率が高い背景には、社民党と「緑の党」主導のショルツ政権の経済政策への不満があることは明白だ。

ドイツ民間放送ニュース専門局NTVによると、ドイツの有権者約6000万人の約20%はどの政党に投票するかまだ決めていない。浮動票の行方が注目される。明確な点は、CDU/CSUが第1党となったとしても過半数には届かないから、新政権を発足させるためには他の政党との連立が不可欠となることだ。ドイツのメディアは、メルツ党首はSPDと連立を組む可能性が高いと予測している。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年2月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。